宮野さん: 「遊びが学びに変わる」というコンセプトにある通り、リトルプラネットではアトラクションで遊んでもらうことで「学び」を感じてほしいという思いはありますが、パーク内の教室を使って、プログラミングなどにより、「学び」要素を強めたものを提供していました。 具体的にはマイクロビットを使ったスパイウォッチ作り、Vチューバー体験ができるワークショップも行いました。 リトルプラネット以外でも、学校で「出張授業」のようなかたちで子どもたちと一緒に新しいアトラクションやを考える授業を行って、テクノロジーとは何かを考えたり、プログラミングとは何かを講義して、カレンダーアプリやミニゲームの制作などにも取り組んでいます。
宮野さん: より多くの人が楽しく気軽にプログラミング体験ができるようにしたものがアカデミアオンラインです。具体的にはリトルプラネットのアトラクションをモチーフに、自宅でもScratchでできる教材となっています。 例えば、塗り絵で遊ぶPAPER RIKISHIというアトラクションを少しアレンジして、アカデミアオンラインではトントン相撲みたいに遊べるようにしています。リトルプラネットのアトラクションをモチーフにしているので施設内のアトラクションの追体験を目指しました。 完成したゲームはアレンジを加えることができる部分を用意しているので、体験者オリジナルで創意工夫を加えられるようにしています。リトルプラネットには「遊びが学びに変わる」というコンセプトがあるのでより、楽しさを追及し、学びのある教材が作れたらいいな、と始まったサービスです。
宮野さん: アカデミアオンラインではワークシートに沿って進めます。ワークシートは幅広い年齢層に対応するためふりがなを振り、文字数を減らしてイラストでの説明を多くしています。 また、Scratchはパズルのようにブロックをつなげてプログラミングをすることができるので初めての人にも体験がしやすいと思います。 こどもたちからはプログラミングはどこからスタートしたらよいかわからないとか、難しそうという声もあるので。保護者にはこどもをプログラミング教室に通わせてみたいという気持ちがあると思いますが、実際に合わなかったらちょっと心配だし、つまらない体験では、こどもがプログラミング嫌いになるだけですから。 ちょっとハードルは高いかなと感じつつも、だからこそアカデミアオンラインでは楽しさを追求しています。まず、プログラミングは楽しいと第一ステップに使ってもらえれば、という感じですね。
宮野さん: 社内のエンジニアからいろいろとアドバイスを受けました。ゲームを作って教材にすること自体は簡単だけれども、それをリトルプラネットがやる意味ってなんだろうと考えた結果、アトラクションをモチーフにしたものを作るところからスタートしました。 スクラッチで教材作るだけだと伝わらないよね、ということでワークシートも充実させて、それでもわからない部分もあるだろうと、解説動画も用意しています。週1回の通いのスクールを意識して、ワークシートも第1章から第4章に分けて、週1回30分で取り組めるような設計にしています。 アトラクション内に教材のモチーフは結構あるのですが、スクラッチだと2Dでしか表現できないので、実際のアトラクションをどう再現するか苦労しました。あとは子どもが体験するパソコンのスペックの関係もあるので、極力重くならないように工夫しました。
宮野さん: テーマパークを運営する我々が作っているのですから、楽しさを追求した教材であること、あとは安さですね。1カ月あたり2800円で体験ができて、ゲームも作れるので。値段の優劣ではあまり決まらないとは思うのですけれど、体験のハードルを下げるためにあえて安い価格で提供しています。
宮野さん: プレースホルダは大学を卒業した後の1社目になるのですが、大学生の時は友人とNPO法人を立ち上げ、こどもたちの興味関心を高めていく「探究型学習」を実施していました。 学校よりも自由にいろんなことを教えられそうだと思っていたので将来は学校以外の教育の場で働こうとしていました。 ただ、並行してリトルプラネットのゼロ号店のアルバイトもやっており働いて自分が関わっていく中でながらすごい施設だと感じました。 こどもたちは遊びの中でいろんな学びを得ている、ここでなら他ではできないいろいろことや、こども達の可能性をより広げることができそうだと思い、就職活動で様々な会社をみて悩みましたが今の会社で働くことを決心しました。 実はプログラミングをやり始めたのは現在の仕事を始めてからなので、初めてプログラミングを学ぶ人が何から取り組み始めればいいのか、どこでつまずくのか、より学ぶひとの近い気持ちになって考えられていると思います。
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テクテク編集部あとがき
アカデミアオンラインはリトルプラネットの追体験ができる楽しいオンライン教材であることは確かですが、こどもたちがプログラミングに取り組む前のワークシートにポイントがあるように思えました。こどもたちにとってわかりやすく課題を整理し、そのままプログラミングに取り組めるよう、事前準備が手厚く整っていて、ここにこそ学生時代に探究型学習を実践していた宮野さんのアイデアが生かされているように思えました。 今後、オンライン・オフラインを含めたイベントが行われるそうなので、ぜひともサイトをチェックしてみてください。